フィリピンからの便り~途上国での緑肥(Green Manure)の重要性

「緑肥」とは、聞きなれない方も多いでしょう。
肥料の一種ではあるものの、化学肥料のようにパッと撒いて効くものではありません。
マメ科などの植物の種をばら蒔きして、2Mほどに育ったら畑に鋤込んで、土壌構造や特に窒素固定細菌により植物の生育に重要な窒素分を供給しようと言うものです。

ところで、筆者は農学部を卒業したとはいえ、緑肥のプロではありませんので、それほど
専門的なことはご紹介できません。
筆者の偏見を含めて申し上げますと、堆肥やボカシは途上国でもよく耳にするようになり
ましたが、一般に途上国では土壌の重要性を認識していないように感じています。
一方で日本では、かなりの昔から、農業は土づくりとの認識で、農家としては年毎に、より良
い畑を作り上げようとする意識が一般的でしょう。

さて、調査サイトのフィリピンのルソン島北端のイロコスノルテ州での作付パターンとし
ては、堆肥を入れることもなく、畑から養分が収奪される一方で、地力の弱く生産性の低
い畑になっているのを化学肥料で補っている状況です。
しかしそれでは、地力の回復とはなりませんので、それをある程度解決してくれるのが「緑肥」
です。

「緑肥」は、何にしろ種を蒔いて鋤込むだけで効果ありというシンプルさが良いのです。
というわけで、調査サイトで生産が盛んなニンニク増産の一環として、今回は緑肥として
マメ科のセスバニアを農民の畑に蒔きました。

5月下旬播種の後2週間

農民の畑で黄色っぽく育つセスバニアを見ると、どれだけ土壌がやせてしまっているかが
悲しくも見えてきました。
緑肥を植えることにより、通常その期間に植えていたトウモロコシ、若しくは陸稲を植え
る機会がなくなります。

果たして、緑肥を入れることによりニンニクの質や収量が上がり、結果的に農家の収入は増えることになるのか・・・・結果は、2020年2月頃、乞うご期待。

H.D.