フィリピン・ニンニク事情(1)イロコスノルテ州編

2017年からフィリピンと関わりを持ち、2024年の現在に至る。すでに7年が経過したが、この先、少なくとも数年、関わりは続きそうである。

そのフィリピンでは、食卓に『ニンニク』が欠かせない。しかし、この国のニンニクのおよそ94%が、主に中国からの輸入で賄われている。

かつては60%近くを自給していたが、1996年にニンニク輸入条件が緩和されてから、輸入品の圧倒的に安価な価格差もあり、現在のように国産品がわずかしか生産されない状況に至っている。

ニンニクの植え付け作業

「アロマが良い」からと、国民の多くが国産のニンニクを好んでいる。それが、細々とでも国産ニンニクが作られ続ける理由の一つであろう。ただし、国産は、全体的にサイズが小さく、一つ一つの鱗片も小さい。

国産ニンニクを作るもう一つの理由は、ニンニクが換金作物であるからだ。ニンニクは裏作であり畑の主役ではないが、現金を手にすることができる作物として魅力的なのだ。

フィリピンでのニンニク特産地はいくつかあるが、イロコスノルテ州が国産の6割前後となっている。また、かつて国内の消費を支えていた産地としてバタネス州がある。

そんなイロコスノルテ州とバタネス州に、この春、9月から作付け開始予定の『作付用種ニンニク』を探しに行った。3月は、フィリピン全土で、ニンニク収獲のピークとなる。

収穫されたニンニク

イロコスノルテ州

イロコスノルテ州は、ルソン島の北西に位置する。作付面積は漸減しているものの、先述したように、国産ニンニクの一大産地である。訪ねると、そこは、ニンニクだらけである。

収穫されたニンニクは、すぐに茎を編み上げ、束ねられていく。

日本では、収穫されたニンニクは、根を取り、茎を短くカットし、さらにいくつかの処理が行われて、皆さんがご存じの形となって店頭に出されるが、フィリピンでは、茎をつけたまま販売される。

フィリピン人にとっては、販売する際も編み上げられている方が売りやすいし、消費者も持ち運びしやすいらしい。

大人数がせっせと流れ作業を行い、ニンニクの束ができ、積み上げられていく。そのニンニクだらけの様には、圧倒されてしまう。

H. D.